『まいられぇ岡山』を楽しみ尽くす、岡山の寺社めぐりをお届けしている はなか です。
『まいられぇ岡山』って何? って方はこちら>>
今回訪れたのは、岡山市北区の金山寺(きんざんじ)。正式には「銘金山 金山寺」という、奈良時代に開かれた天台宗のお寺です。
9月の終わり、私はまいられぇ岡山のクイズ集めの締め切りに追われていました。
まだクイズを集めていない寺社が35か所。9月中の土日でぜんぶ回る算段で、金山寺もそのひとつでした。
※まいられぇ岡山には、掲載されている69の寺社をめぐってクイズに答える「巡礼クイズ」という企画があります。くわしくは『まいられぇ岡山』の楽しみ方を紹介した記事でまとめています。
県道から山へ入ると、道は少しずつ山あいへ。
ふもとから見上げると、山の中腹に三重塔と仁王門が小さく見えました。

「岡山市内に、こんなお寺があるんだ」
クイズを集めたら次の寺社へ……と思っていたのですが、客殿を拝観できると知って興味津々。せっかくなので拝観させていただくことにしました。
そこでお寺の方から聞いたのが、江戸時代、岡山藩のお殿様が岡山城からこの山の上まで籠に乗って通っていたという話です。
「ここまで籠で来ていたの!?」
しかも、その籠が今も客殿に残っていたんです😳
📘 まいられぇ岡山 掲載ページ:P10〜13
この記事で分かること
実際に参拝してきた下見メモをもとにまとめました。参考にしていただければ幸いです😊
📍 金山寺の境内マップ

仁王門から石段を上った先に護摩堂があり、さらに進むと客殿と仮本堂です。三重塔は、そこから裏山を上った先にあります。
私は客殿の拝観をはさんで、三重塔とやだねの霊泉まで回りました。ここまでで約1時間50分です。
【王道】客殿をじっくり拝観するコース
巡る順番
- 仁王門と石段
- 護摩堂
- 客殿(内仏殿・書院・庭園・お籠)
- 仮本堂(まいられぇスタンプ)
+ 時間に余裕があれば
- 本家筋最上稲荷社(拝殿から本殿まで、石段を往復約15分)
👉 はじめての方/お殿様ゆかりの客殿をゆっくり見たい方におすすめ
【深掘り】三重塔と霊泉まで歩くコース(約1時間50分)
- 仁王門と石段
- 護摩堂
- 客殿(内仏殿・書院・庭園・お籠)
- 仮本堂(まいられぇスタンプ)
- 三重塔
- やだねの霊泉
+ 時間に余裕があれば
- 本家筋最上稲荷社(拝殿から本殿まで、石段を往復約15分)
👉 「せっかく山の上まで来たなら、三重塔も見たい」方におすすめ
- 仁王門から境内までは長い石段(手すりあり)
- 三重塔へは、裏山の石段を上ります。歩きやすい靴がおすすめです
- 霊泉のそばの民家の道は行き止まりで、三重塔へは行けません(現地に掲示あり)
- 本家筋最上稲荷社の本殿へは石段を往復約15分。足腰に不安があれば、拝殿でのお参りでもよいと案内されています
- 仁王門は修理中です(訪問時)
🙏 金山寺のご本尊とご利益
金山寺のご本尊として祀られていたのは、秘仏の千手観音さまです。
しかし平成24年12月の火災で、国の重要文化財だった本堂とともに焼失しました。
現在は、護摩堂の手前に立つヒノキを使い、高さ約7メートルの千手観音像を新たに造ることを目指しているそうです。
ご祈祷のご本尊は元三大師(がんざんだいし)。お正月の護摩祈願では、厄除け・方位除け・家内安全・心願成就などが祈願されています。
📜 「備前四十八ヶ寺の根本道場」金山寺とは、どんなお寺?
奈良時代の749年に開かれ、備前の48の寺の中心となる修行の場として栄えたお寺です。
報恩大師が開いたと伝わり、平安時代の終わりには、宋から帰国した栄西禅師も入山しています。
戦国時代に一山が焼き払われたあと、宇喜多直家の庇護を受けて、天正3年(1575)に本堂と護摩堂が再建されました。
江戸時代になると、岡山藩の池田家とのつながりが深くなります。仁王門は岡山藩祖・池田光政公の寄進、客殿も池田藩が建てたものです。
お寺の方のお話では、金山寺は池田藩の休憩所・保養所として使われ、お客様を招く「迎賓館」のような役割もあったとのこと。
💡 ちょっと豆知識:岡山城の「鬼門」を守るお寺
「鬼門」は、昔から災いが入ってくると考えられてきた方角のことです。
お寺の方から伺った話では、金山寺は岡山城から見て「鬼門」を守る場所にあり、反対側の「裏鬼門」は千手寺が守っているそうです。
「へえ、そんな意味もある場所だったんだ」と、とても印象に残ったお話でした。
県内でいちばん早い裸祭り「金山寺会陽」
もうひとつ驚いたのが、金山寺でも裸祭り(会陽・えよう)が行われていることです。
毎年2月の第1土曜日に、県内のトップをきって行われます。
私自身、岡山のはだか祭りといえば西大寺会陽くらいしか知らなくて。
金山寺にも会陽があると聞いて、ちょっとびっくりしました😳
さらに調べてみると、会陽は岡山県内の各地に伝わってきた文化なんだそう。
「そんなにあるの!?」と、これまたびっくり。
金山寺を訪れたことで、またひとつ知らなかった岡山を知ることができました😊
⛩️ 金山寺のみどころ
① 長い石段の先に、山門(仁王門)と護摩堂
山門前の駐車場に車を停めると、目の前に石段と仁王門が現れます。

石段を上りながら、「この石段、歴史がありそう」と感じました。
仁王門は、池田光政公の寄進で正保2年(1645)に建てられた門です。訪れたときは修理中で、仁王さまは仮本堂に移されていました。
門をくぐってさらに石段を上ると、天正3年に再建された護摩堂が見えてきます。

② 客殿で過ごした、お殿様の「迎賓館」の時間
「拝観入口・御朱印受付」の立て札に従って進むと、唐破風(からはふ)の門が見えてきます。この先が客殿と寺務所です。

寺務所の受付で拝観料(大人500円・子ども300円)を納めると、お寺の方が中を案内してくださいました。
このお寺の方のお話が、今回特に面白かったところです。客殿の中は撮影してもよいと言っていただけました。
最初に見せていただいたのは、阿弥陀三尊を祀る内仏殿。
仏さまや観音さまを間近で拝観できて、すごく感動しました。
お堂の中は護摩祈祷をしたあとだったようで、少し煙が残っていて。その煙った感じがかえってお堂の雰囲気に合っていて、「ああ、お寺に来たんだなあ」と感じられたのが良かったです。

見上げると、天井から吊るされた天蓋(てんがい)に、紅い蓮の花が大きく描かれていました。

続いて、お殿様が夏に滞在した書院へ。襖いっぱいに描かれた鷹が、部屋に入るとすぐ目に飛び込んできます。

特に面白かったのが、「動くだまし絵」のような襖絵です。
見る場所によって絵が変わって見える仕掛けを、お寺の方が説明してくださいました。遠近法をわざと逆にして描いた、狩野派のお家芸なんだそうです。
「昔のお殿様も、こうやって絵を楽しんだんですかね」
お寺の方とそんな話をしながら見て回るのが、とても楽しかったです😊
床の間には、池田藩のお殿様の書も。立派で、とても力強い字でした。
庭は四方から眺められる造りで、座敷に座っていると、お客様をもてなすための場所だったことが伝わってきます。

最後に目に入ったのが、天井から吊るされた2挺の籠。

岡山藩のお殿様が、岡山城からこの山の上まで乗ってきたと伝わるお籠です。
車でも山道を上ってくる場所なので、「ここまで籠で!?」という驚きはひとしお。
その時代を伝えるものが、今も客殿に残っていることにもびっくりしました。
拝観のあとは、桑茶をいただきながら、お寺の方と一緒に雑談。これが美味しかったんです😊
クイズだけのつもりで立ち寄ったお寺で、まさかこんなにゆっくり過ごすことになるとは思いませんでした。
③ 仮本堂(まいられぇスタンプはここ)
客殿の近くにあるのが、焼失した本堂のかわりにお参りする仮本堂です。まいられぇ岡山のスタンプは、仮本堂の記帳台に置かれていました。

昔からの本堂を見られなかったのは残念。早く建て直されるといいなと思います。
④ 裏山に建つ三重塔
仮本堂からさらに裏山の石段を上ると、三重塔が姿を見せます。

近くで見上げると、思っていた以上に立派な塔でした。天明8年(1788)に建てられた、岡山県の重要文化財です。
山の中にこれほど立派な塔が残っているのを見ると、金山寺がお殿様から大切にされていた場所だったのだろうと感じます。
三重塔のあたりから振り返ると、山の向こうに岡山市街が広がり、遠くには旭川も見えました。ここまで上ってきたあとに見る景色は、ちょっとしたご褒美のようでした。
塔の内部は、ふだんは非公開。お寺の方のお話では、お正月の初詣の護摩祈願の時期に限って公開されるそうです。
これは一度、中も見てみたいです。
⑤ 会陽にも供えられる「やだねの霊泉」
石段を下りて標識に従って小道を進むと、杉の木の下に朱塗りの水屋があります。ここがやだねの霊泉。

飲んでいいお水なのか確認しないまま、知らずに手で受けて飲んじゃいました💦 でも、これが美味しかったんです。
説明板によると、昔からお寺のご祈祷や会陽にお供えされてきた霊水で、参拝者のお水取り用に開放されています。
🦊 2回目の参拝で、境内の「本家筋最上稲荷社」へ
じつは金山寺には、翌日もう一度お参りしています。
目的は、薬師院の御朱印をいただくこと。あわせて、1回目にお参りできていなかった境内の本家筋最上稲荷社へ向かいました。
説明板によると、報恩大師が金山寺を開いたときに、ほかに先がけて迎えた「本家筋」の最上稲荷で、お寺の守護神とされています。お寺の方からも、金山寺と最上稲荷には、もともとつながりがあったと伺いました。
「本家筋最上稲荷」の標識に従って坂を上ると、朱色の千本鳥居が迎えてくれました⛩️

拝殿の先から竹林の中の石段を上ると、本殿です。説明板には「往復約十五分」とあります。
私は本殿まで上りましたが、上からの景色が良かったです😊

足腰に自信がないときは、拝殿でお参りしても「本殿参拝と変わらぬご利益」があるとされています。2回目は、客殿の裏に車を停めてお参りしました。
📝 金山寺の参拝メモ(御朱印・駐車場・所要時間)
御朱印と授与品
御朱印は、寺務所の受付でいただけます。1回目にいただいたのは、ご本尊の「千手観音」の御朱印です。

授与所には、招き猫やギャッベ(ペルシャの手織り絨毯)柄の御朱印帳・御守りが並んでいました。疫病除け・厄除けの角大師(つのだいし)のお札もいただきました。


参拝の基本情報
| 宗派 | 天台宗 |
|---|---|
| 客殿の拝観料 | 大人500円/子ども300円 |
| 御朱印 | 寺務所の受付にて500円(千手観音) 受付は10時〜16時30分(拝観受付まで)・年中無休 |
| 所要時間 | 客殿の拝観込みで、三重塔・やだねの霊泉まで回って約1時間50分 本家筋最上稲荷社の本殿は、拝殿から石段を往復約15分 |
| 駐車場 | 無料。山門前に5台、護摩堂横に50台 1回目は山門前、2回目は客殿の裏に停めました |
| まいられぇスタンプ | 仮本堂の記帳台 |
| TEL | 086-228-0926 |
| 公式サイト | 金山寺 公式サイト |
※拝観料・初穂料・受付時間・駐車場などは変更になる場合があります。参拝前に金山寺の公式サイトでご確認ください。
主な年間行事
| 1月1日・2日・3日・10日 | 初詣護摩祈願(客殿の特設護摩道場で1日4回) 三重塔内部の限定公開(初詣の時期) |
|---|---|
| 2月第1土曜日 | 金山寺会陽(裸祭り) |
※初詣の日程は、令和8年・令和9年のお寺の案内によるものです。毎年の日程は金山寺の公式サイトでご確認ください。
🚃🚗 金山寺へのアクセス
📍 住所:〒701-2151 岡山県岡山市北区金山寺481
🚗 車でお越しの方
山陽自動車道・岡山ICから車で約20分です。県道沿いに「金山寺 駐車場」の標識が出ています。

山道を上っていきますが、お寺のチラシには「車道の拡幅工事が完了しました」とありました。
🚃 電車・タクシーでお越しの方
JR岡山駅から車で約20分、JR津山線・玉柏駅から車で約10分です。
おわりに
クイズを集めるだけのつもりで立ち寄った、山あいの金山寺。
拝観してみると、お殿様が籠で通った客殿、動く襖絵、四方から眺める庭が待っていました。
「岡山市内に、こんなお寺が」と驚いた場所は、岡山藩のお殿様がわざわざ足を運び、滞在していたお寺だったんです。
本堂は今、再建を待っているところ。三重塔の中が見られるお正月に、もう一度訪れてみたいです😊
あわせて読みたい
【岡山市】最上稲荷+奥の院|鳥居があるのにお寺?岡山で一番参拝者が集う“神仏習合”の不思議を歩く
【瀬戸内市】上寺山餘慶寺(うえてらさんよけいじ)|お寺なのに神社がある?1270年続く神仏習合の古刹を参拝
【備前市】大瀧山西法院|紫陽花越しに見上げる三重塔(国重文)|御朱印・駐車場・アクセス
後楽園と岡山城、どっちから回る?半日で両方楽しむコース順と見どころ
県外から金山寺を訪れる方は、岡山市内に泊まって、寺社めぐりの拠点にするのもおすすめです🏨
【2026年最新版】岡山市内の目的別おすすめ宿14選 神社・寺社めぐりの拠点に
※この記事の情報は訪問時(2026年9月)のものです。


コメント