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【岡山市】備前八幡宮|三本のご神木と、二度の焼失を越えた四百年

備前八幡宮 アイキャッチ画像

『まいられぇ岡山』を楽しみ尽くす、岡山の寺社めぐりをお届けしている はなか です。
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今回ご紹介するのは、岡山市中区八幡東町に鎮座する備前八幡宮(びぜんやはたのみや)です。

「やはたさん」の愛称で親しまれているお宮です。

はじめは、街なかにある身近な八幡さま、という印象で向かいました。

ところが目の前に現れたのは、大きな木々に囲まれた鳥居です。すぐそばを車が行き交う道路があるのに、鳥居の向こうは、まるで別世界への入り口のようでした。

深い緑に包まれた光景は、まるでトトロの森のよう。神さまがひっそりと宿っていそうな、不思議な雰囲気が漂っていました。

備前八幡宮 入口の鳥居

📘 まいられぇ岡山 掲載ページ:P81(岡山市中区)

この記事で分かること

  • 備前八幡宮の見どころ(三本のご神木・狛犬・三祖神社・五角柱の石柱)
  • 二度の全焼を乗り越えて守り継がれた、四百年の歴史
  • ご祭神と、境内の由緒書きに記された「母子神」の信仰
  • 御朱印のいただき方・駐車場・アクセス

実際に歩いてきた下見メモをもとに、境内をご案内していきます。😊

境内マップ

備前八幡宮 境内マップ

境内には、拝殿・本殿のほか、三本のご神木、境内社の三祖神社(みおやじんじゃ)、たくましい狛犬などが点在しています。

本殿の裏手には、稲荷宮・天満宮・祇園宮・大山宮といった境内社も並んでいました。

ひと通りまわって、30分ほどでした。

備前八幡宮のご祭神とご利益

ご祭神は、神功皇后(じんぐうこうごう)・応神天皇(おうじんてんのう)・玉依姫命(たまよりひめのみこと)の三柱です。

いずれも、八幡さまとしてお祀りされている神々です。

八幡神は古くから勝運・武運の神として、また産業や地域を守る神としても崇敬されてきました。勝運・厄除け・家内安全などのご利益があるとされています。

境内の由緒書きには、もうひとつ心に残る記述がありました。

神功皇后(母君)と応神天皇(子)という関係から、「母子神(ぼしじん)」の信仰が生まれたそうです。

母の慈愛と、子どもの立派な成長を祈る信仰です。

そのご縁からか、由緒書きに挙げられたご神徳には、安産・子授け・縁結びも並んでいました。

そして戦前までは、大祭に小学校の全児童が参拝していたと記されています。地域の子どもたちの成長を、長く見守ってきたお宮であることが伝わってきました。

なぜ「やはたさん」は、四百年も守り継がれてきたのか

備前八幡宮の始まりは、元和元年(1615年)にさかのぼります。

岡山城主・池田忠雄(いけだ ただかつ)が、八幡村の豊作と平安を祈って社殿を造営したのが起こりとされています。

大坂夏の陣に徳川方として参陣し、大坂城が炎上する光景を目の当たりにした、その直後のことと伝わります。

その後、延宝4年(1676年)には、岡山城主・池田綱政(いけだ つなまさ)が再興につとめ、山城国の男山八幡宮(現在の石清水八幡宮)から御分霊を勧請して遷宮しました。

神社を支えるための土地も与えられ、特に大切にされた格式の高いお宮だったといわれています。

じつはこの社殿、明治42年(1909年)と平成6年(1994年)の二度にわたって全焼しています。

それでもそのたびに、氏子や崇敬者の方々の熱意と協賛によって再建されてきました。

平成27年(2015年)には、創建400年祭も執り行われました。

二度の焼失を経ても、そのたびに人の手でよみがえってきました。四百年もの間、大切に守り継がれてきたお宮なのだと、境内に立ってしみじみ感じました。

備前八幡宮の見どころ

① 随身門をくぐって参道へ

備前八幡宮 随身門

鳥居をくぐると、随身門があります。

門をくぐった先には、まっすぐな参道が続いていました。

両側は木立です。街の音が少しずつ遠のいていく感じがしました。

② 中・南・北、三本の立派なご神木

備前八幡宮 中神木と北神木

この神社でいちばん心に残ったのが、境内に立つ三本のご神木です。

中神木・南神木・北神木と、それぞれに名前がついています。

どれも生命力にあふれた、立派な木でした。

見上げていると、木々から力をいただいたような気がしました。

備前八幡宮 御神木

とくに好きだったのが、枝葉のあいだから差してくる光です。

まぶしくて、しばらく見上げていました。

街なかにありながら、大きな木々に包まれた境内が印象に残りました。

③ たくましい狛犬

備前八幡宮 狛犬

参道で出迎えてくれる狛犬も、見どころのひとつです。

巻き毛のようなたてがみや張り出した胸、力強く持ち上がった尾まで、どっしりと迫力のある姿でした。

境内を守る勇ましい姿が、辺りの空気をぐっと引き締めていました。

④ 三基の礎石が残る三祖神社

備前八幡宮 三祖神社

境内図に「三祖神社」と記された場所も、私のお気に入りです。

賽銭箱の奥には、三基の石が静かに並んでいます。

現地の由緒書きによると、ここは三祖神社の跡で、豊島石でできた三基の礎石が残されているとのこと。「三公神」とも呼ばれているそうです。

由緒書きには、和気清麻呂公(わけのきよまろ)、大職冠鎌足公(たいしょっかん かまたり)、菅原天神(すがわらてんじん)の三柱の名が記されています。

三つの礎石が並ぶ飾らない姿を見ていると、心がほっとあたたかくなりました。

⑤ 五柱の神名を刻む石柱と、気になる「原石」

備前八幡宮 天照大神の石碑と原石
左は五柱の神名が刻まれた五角柱、右は案内板に「原石」と記された自然石

五柱の神名が刻まれた五角柱

境内には、「天照大神」と刻まれた石柱があります。

正面から見たときは、天照大神をお祀りする一つの石碑だと思っていました。

ところが近くで見ると、石柱は五角形になっています。別の面には、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)・大己貴命(おおなむちのみこと)・少彦名命(すくなひこなのみこと)・埴安姫命(はにやすひめのみこと)の名が刻まれていました。

由緒書きにも、天照大神を含む五柱の神さまの名が記されています。

このように、五角柱の各面に五柱の神名を刻んだ石塔は、一般に「五神名地神塔」と呼ばれます。備前八幡宮の石柱も、その形式とみられます。

正面だけを見ていたら気づかなかった、五つの面を持つ石柱でした。

案内板の「原石」と、境内図の「畜魂」

五角柱の隣には、注連縄と紙垂が巻かれた大きな自然石が立っています。

現地の案内板には、ただ「原石」とだけ書かれていました。

その場では詳しいことが分かりませんでしたが、大切にお祀りされている姿を見て、私も静かに手を合わせました。

帰宅後、記事を書くために公式サイトの境内図を確認すると、この場所には「畜魂」と記されていました。畜魂とは一般に、人の暮らしに関わった動物の霊を慰め、感謝を捧げるものです。

「畜魂」という言葉を知り、現地で自然と手を合わせたことが、あとになって少し腑に落ちました。

そのほかの見どころ

本殿裏に並ぶ境内社

備前八幡宮 本殿裏の境内社

本殿の裏手には、稲荷宮・天満宮・祇園宮・大山宮などの境内社が並んでいます。ひとつずつ手を合わせながらまわりました。

本殿の向こうに見えた桜

備前八幡宮 本殿と奥に桜

備前八幡宮のすぐ隣には公園があり、桜並木が続いていました。訪れた3月末には桜がきれいに咲き、本殿の向こうから淡い桜色がのぞいていました。

境内に桜はありませんが、公園と隣り合う景色から、地域の暮らしに寄り添ってきた神社であることが伝わってきました🌸

備前八幡宮の年間行事

境内に「主な祭事」の案内板が掲示されていました。

1月1日〜3日初詣(元旦の午前10時から歳旦祭)
1月15日トンド焼(午前10時から祭典、終了後に焼納)
2月3日節分祭(祭典のあとに豆まき)
6月30日大祓祭(受付は午後4時〜9時)
10月 最後の土・日秋祭り(2日間・両日とも午前10時から祭典)
11月15日七五三詣
毎月1日・15日、土日月次祭・御祈念

日程は変更になる場合があります。参拝前にご確認ください。

参拝メモ

備前八幡宮 御朱印
所要時間約30分(境内をひと通りまわった場合)
御朱印初穂料:500円。受付:10時~15時。
社務所が不在のことがあり、その場合は掲示の連絡先へお電話を。私が電話をしたときは、10分ほどで来てくださいました。受付時間・初穂料は変更になる場合があります。参拝前にご確認ください
駐車場境内に3〜4台分の駐車スペースがありました。隣接するグラウンドの利用可否は、現地の案内をご確認ください。
住所〒703-8253 岡山県岡山市中区八幡東町1-1
電話086-275-6555(社務所不在時の御朱印連絡先)
公式HPhttps://yahatanomiyaokayama.wixsite.com/home

備前八幡宮へのアクセス

備前八幡宮 駐車場入口
駐車場入口

🚗 車でのアクセス
車で訪れる場合は、高島グラウンド側の入口から入り、境内南東にある駐車スペースを利用します。

🚃 公共交通機関でのアクセス
JR山陽本線・高島駅から車で3分。宇野バス・高島団地バス停から徒歩1分

📍 住所:〒703-8253 岡山県岡山市中区八幡東町1-1

たくさんの手で、大切に守られてきた八幡さま

じつは、御朱印をいただくまでに二度足を運びました。

一度目は、備前国総社宮を参拝したあとに立ち寄りましたが、御朱印の受付時間に間に合いませんでした。

翌日あらためて訪れましたが、そのときも社務所はご不在でした。

境内に掲示されていた案内に従って、連絡すると、10分ほどでわざわざ来てくださったのです。

「総社宮と兼任なので申し訳ない」と、逆に恐縮されてしまいました。

そして、お顔を見て気がつきました。

前の日に参拝した備前国総社宮で、境内のお掃除やお手入れをされていた、あの方でした。

備前国総社宮と備前八幡宮の両方を、こうして守っておられるのだと知りました。

はじめは、街なかにある身近な八幡さま、という印象で訪れた備前八幡宮。

けれど境内には、三本の立派なご神木、二度の焼失を乗り越えて守り継がれてきた四百年の歴史、そして、備前国総社宮と備前八幡宮を、日々支えている方の姿がありました。

街のすぐそばにありながら、深い緑と人の温かさに包まれた「やはたさん」でした。

👉 静かな境内で、大きな木々の力を感じたい方におすすめの神社です。御朱印を希望する方は、参拝前に公式サイトや境内の案内で、受付方法を確認しておくと安心です😊

近くまで来られた際は、ぜひこの三本のご神木を見上げてみてください。そして「原石」の前でも、少し足を止めてみてください。⛩️

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※この記事の情報は訪問時(2026年3月)のものです。

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