『まいられぇ岡山』を楽しみ尽くす、岡山の寺社めぐりをお届けしている はなか です。
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今回ご紹介するのは、岡山市中区祇園に鎮座する備前国総社宮(びぜんのくにそうじゃぐう)です。
「総社」とは、その国じゅうの神さまをひとつにまとめてお祀りしたお宮をいいます。
この備前国総社宮に合祀されている神さまは、備前国内128社にのぼります。ここへお参りすれば、一度に備前じゅうの神社を参ったことになるといわれています。
「総社とは、どんなお宮なのだろう」
そんな興味を持って訪れましたが、境内を歩くうちに、128社という数字とはまた別のところにも目が向きました。
焼失した社殿の跡地に残る「平舞台」、全国でただひとつという平安時代様式の拝殿、そして、くぐる向きによって意味が変わる御縁木。
「これは何だろう?」と足を止めながら、気がつけば境内をゆっくり巡っていました。
まいられぇ岡山 掲載ページ:P80(岡山市中区)
実際に歩いてきた下見メモをもとに、境内をご案内していきます。😊
境内マップ

境内には、随身門・拝殿・本殿のほか、縁を結び、悪縁を断つといわれる御縁木や、三光稲荷大明神などが点在しています。
ひと通りゆっくり巡って、所要時間は30分ほどでした。
備前国総社宮のご祭神とご利益
主祭神は、大己貴命(おおなむちのみこと)です。大国主命(おおくにぬしのみこと)と同じ神さまで、国造りと縁結びの神として知られています。
あわせて、須世理姫命(すせりびめのみこと)や神祇官八神、そして備前国内128社の神々が合祀されています。
備前じゅうの神さまが一堂に会しているので、ご神徳もさまざまです。縁結びをはじめ、幅広いご利益があるとされています。
焼失した社殿は、なぜ平安時代の姿で建て直されたのか
そもそも「総社」は、平安時代に生まれた仕組みです。
その国に赴任した国司は、本来なら国じゅうの神社をひとつずつ巡拝しなければなりませんでした。備前国内の神社を一社ずつ巡るとなれば、たしかに大変だっただろうと思います。
そこで、国府の近くに国内の神さまをまとめてお祀りする「総社」を設け、ここへ参ればすべてを巡拝したことになるようにしたのです。
備前国総社宮も、そうして備前国内の神さまを合祀したお宮として、平安時代に始まったと推定されています。
ところが平成4年(1992年)、放火によって社殿が焼失してしまいます。
再建で掲げられたのは、「総社宮」の名にふさわしい姿を取り戻すという方針でした。
そこで復興の核に据えられたのが、創建当時にあたる平安時代後期・12世紀の社殿の復元です。
公式サイトによると、この復元は広島大学大学院教授の三浦正幸氏が監修、山口佳巳氏が設計を担当されたそうです。
長年の研究を経て、平成22年(2010年)に本殿が、平成27年(2015年)に拝殿が再建されました。
焼失前の社殿をそのまま建て直したのではなく、研究をもとに、平安時代後期の創建当時の姿を復元したものです。
現在の社殿が、全国でもここだけとされる姿になったのは、そのためです。
備前国総社宮の見どころ
① 随身門の矢大臣と左大臣

参道を進むと、まず随身門をくぐります。
門の左右には、矢大臣と左大臣がお座りになっていました。
お顔の前には神主さんが持つ大麻(おおぬさ)のようなものが重なっていて、表情を見ることができなかったのが少し残念でした。
② 旧社殿の跡地「平舞台」

拝殿の手前には、石で四角く縁取られた区画が広がっています。
「平舞台(ひらぶたい)」と呼ばれる場所で、焼失した旧社殿が建っていた跡地です。
地面には砂利の箒目(ほうきめ)のような細かな筋がまっすぐに並び、きれいに整えられていました。
立て札には「神楽、武道、芸能奉納を執り行う神聖な場所です」と書かれていました。公式サイトには、お焚き上げや節分祭がこの場所で行われる様子も掲載されています。
社殿が失われた場所は、ただの跡地として残されているのではありません。
今も神事や奉納の舞台として使われ続けています。そう知ると、目の前の四角い空間が、大切に受け継がれてきた場所に見えてきました。
③ 全国唯一、平安時代様式の拝殿

現在の拝殿は、平安時代後期の創建当時の姿をもとに再建されたものです。
平安時代様式で再建された社殿は、全国でもここだけだそうです。
まず目に入ったのは、四隅がぐいと反り上がった屋根。五月飾りの兜にもよく似ています。
神社の屋根でこの形を見るのは初めてで、しばらく見上げていました。
派手な装飾はなく、白木と格子を生かした端正な佇まいです。
拝殿の中は閉じられていたため、外からお参りしました。
伊勢神宮を思わせるようでいて、それとはまた少し違います。そんな独特の雰囲気が心に残りました。
この日は天気もよく、差し込んだ光が社殿をやわらかく照らしていました。
ほかにも数名の方が訪れ、静かに手を合わせていました。
④ 縁を結ぶ・断つ、御縁木(ごえんぼく)

境内には、楠(くすのき)の切り株のご神木があります。
「御縁木(ごえんぼく)」と呼ばれていて、社殿に向かってくぐると、たくさんのご縁がいただけるといわれています。
身長150センチの私で、かがんでちょうどくらいの高さでした。背の高い方は、少し窮屈かもしれません。
ところがこのご神木、背を向けてくぐると、今度は縁切りのご利益があるともいわれています。
結ぶか、断つか。
切り株の前で、どちら向きにくぐろうか少し迷いました。
最後は、これまでいただいたご縁を大切にしたいと思い、社殿に向かってくぐりました😊
⑤ 三光稲荷大明神

境内社として、三光稲荷大明神(さんこういなりだいみょうじん)もお祀りされています。
ひとつの屋根の下に、三つのお社が横並びになっています。この日は光が差し込み、三社とも明るく照らされていました。
手前には、小さなお稲荷さまがちょこんと座っていました。

さらに気になったのが、三つのお社の足元でした。
石にはめ込まれた、菊の紋のような丸い意匠を見つけました。
見つけられたのは、ひとつだけです。ほかのお社にもあったのかもしれません。
何を表しているのだろうと眺めていましたが、結局、意味は分からないままでした。
そのほかの見どころ
備前国総社宮の年間行事
| 1月3日 | 歳旦祭 |
| 2月 | 節分祭 |
| 4月29日 | 春祭(春季例大祭) |
| 10月21〜23日 | 秋祭(秋季例大祭) |
日程は変更になる場合があります。参拝前に公式サイト等でご確認ください。
参拝メモ

| 所要時間 | 約30分(境内をひと通りまわった場合) |
| 御朱印 | 直書き/500円 受付/9時~16時 授与時間・初穂料は変更になる場合があります。参拝前にご確認ください |
| まいられぇスタンプ | 社務所の外に出してあり、迷わず見つけられました |
| 駐車場 | 近くの「龍ノ口グリーンシャワーの森」駐車場(無料)を利用しました。神社まで徒歩3分ほどで、坂や階段はありません。駐車場前にはカフェもあり、多くの人で賑わっていました |
| 住所 | 〒703-8207 岡山県岡山市中区祇園596 |
| 公式HP | https://www.soujagu.jp/ |
| 公式Instagram | @bizennokuni_soujagu.official |
備前国総社宮へのアクセス
🚃 公共交通機関でのアクセス
JR山陽本線・高島駅からバスを利用できます。運行状況や降車する停留所は、訪問前に最新情報をご確認ください。
🚗 車でのアクセス
参拝には、近くの「龍ノ口グリーンシャワーの森」駐車場(無料)が便利でした。神社まで徒歩3分ほどで、坂や階段はないので歩きやすいです。駐車場前のカフェは、参拝後の寄り道にもよさそうです。
📍 住所:〒703-8207 岡山県岡山市中区祇園596
結ぶか、断つか。あなたはどちらをくぐりますか
「128社の神さまをお祀りするお宮」と聞いて訪れた、備前国総社宮。
境内を歩いてみると、焼失した社殿の跡地に残る平舞台や、平安時代様式の拝殿、くぐる向きによって意味が変わる御縁木など、「これは何だろう?」と足を止めるものがいくつもありました。
なかでも印象に残ったのは、旧社殿の跡地である平舞台です。社殿が失われたあとも、今なお神事や奉納の場として使われていると知り、しばらくその場所を眺めました。
御縁木の前では、結ぶか、断つか。どちら向きにくぐろうか、少し迷いました。
備前国総社宮は、そんな時間を楽しめる神社でした。
縁結びを願う方や、悪縁を断ちたい方、珍しい神社建築に興味のある方にもおすすめです。
あなたなら、御縁木をどちら向きにくぐるでしょうか。
現地で、そのときの気持ちに合う向きを選んでみてください⛩️
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※この記事の情報は訪問時(2026年3月)のものです。




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