『まいられぇ岡山』を楽しみ尽くす、岡山の寺社めぐりをお届けしている はなか です。
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今回ご紹介するのは、岡山県早島町の街なかに佇む示現山 普門院 千光寺(せんこうじ)です。
早島の街なかにあると聞くと、こぢんまりとしたお寺を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ところが実際に歩いてみると、その印象はいい意味で裏切られました。
山門の奥には本堂や鐘楼、大きな五輪大卒塔婆があり、さらに裏山には城山稲荷大明神や奥之院まで。
しかもこのお寺は、戦に敗れた武将・竹井将監(たけいしょうげん)の菩提を今も守り続けているお寺でした。
竹井将監は、天下人・豊臣秀吉に、その武勇を惜しまれたと伝わる人物でした。
どんな物語なのかは、あとの歴史の章でご紹介します。
まいられぇ岡山 掲載ページ:P53(早島町)

この記事では、こんなことをご紹介します。
今回も、実際に歩いて確かめた下見メモをもとにお伝えします。

千光寺のご本尊とご利益
千光寺は高野山真言宗のお寺で、ご本尊は聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)です。
この観音さまは、慈覚大師(じかくだいし)の作と伝えられています。
聖観世音菩薩は、苦しむ人の声に耳を澄まし、救いの手を差しのべてくださるとされる仏さまです。
今回は本堂の中まではお参りしていないため、ご本尊のお姿については拝見していません。ご開帳やお参りの可否は、お寺にご確認ください。
なぜ千光寺は、敗れた武将を弔い続けているのか
千光寺は、戦国時代にこの地を治めた早島城主・竹井将監の菩提寺として知られています。
竹井将監は、備中高松城の戦いの前哨戦「冠山城の戦い」(天正10年・1582年)で討死した武将だと伝えられています。
秀吉方が忍ばせた伊賀者が城内に火を放って混乱に陥れるなか、将監は秀吉方の猛将・加藤清正と一騎討ちとなり、討ち取られたと伝わります。
言い伝えでは、将監の武勇はすさまじく、その戦いぶりを惜しんだ秀吉が、敵将であるにもかかわらず金子五十両を贈り、吉備津・宮内の賀夜坊などで手厚く供養させたといいます。
敵として刃を交えた相手を、こうして手厚く弔わせる。
勝った側ではなく、敗れた側の物語が今も語り継がれていることに、戦国の世はただ冷酷なだけではなかったのだと思いました。
その後、寛永8年(1631年)に増泉法印(ぞうせんほういん)が奥坂から現在の地へお寺を移したと伝えられ、今日まで将監の供養が続けられています。
「街なかの小さなお寺」という第一印象の奥に、こんな物語が息づいていました。
千光寺の見どころ
① 街なかに構える山門

まず迎えてくれるのが、この立派な山門です。
街なかとは思えない落ち着いた雰囲気で、「この先にはどんな景色が広がっているんだろう」と自然と足が進みました。
くぐった先に、本堂や鐘楼、五輪大卒塔婆、そして城山稲荷大明神へと続く境内が広がっていて、外から見た印象よりもぐっと奥行きがありました。
② 大きな五輪大卒塔婆

境内には、山門の屋根と同じくらいの高さがある、見上げるほど大きな五輪大卒塔婆が建っています。
あまりの大きさに目を奪われ、気づけばしばらく眺めていました。
③ 本堂と鐘楼

山門をくぐると、正面に本堂、そのそばに鐘楼が構えています。
街の喧騒からほんの少し入っただけなのに、境内はしんと静かで、落ち着いた時間が流れていました。
④ 城山稲荷大明神

境内の一角には、城山稲荷大明神(しろやまいなりだいみょうじん)がお祀りされています。
訪れたとき、ちょうど木立の間からやわらかな光が差し込み、朱色の鳥居がより鮮やかに見えました。

狛狐さまは、キリッとした凛々しいお顔立ちをしていました。
その表情を見ていると、この先には神様がいらっしゃるような、そんな神聖な空気を感じます。
⑤ 竹井将監の供養塔

歴史の項でご紹介した、早島城主・竹井将監の供養塔です。
敵将の武勇を惜しんだ秀吉が建てさせたと伝わる五輪塔が、今も静かにこの地を見守っていました。
この五輪塔は、早島町指定重要文化財に指定されています。
徒歩10分、裏山の奥之院へ

千光寺には、境内から徒歩10分ほどの裏山に奥之院があります。
奥之院は裏山の早島公園の中にあり、坂道をゆっくりと登っていきます。
道中には小さな鳥居や、千光寺が管理するお墓、先ほどご紹介した竹井将監の供養塔などが点在していて、見どころを順番に巡っているような感覚になりました。
のぼりきると視界がひらけ、早島の街を見渡すことができました。
さらに進むと鳥居が立ち、その奥に小さなお堂があります。私が訪れた日は人影もなく、とても静か。景色を眺めながら、少し休憩するのにも心地よい場所でした。

そのほかのみどころ
参拝メモ
| 御朱印 | 愛らしい観音様のイラストが描かれた、色鮮やかな御朱印(馬が二頭、そっと添えられています)。初穂料500円(変更になる場合があります。参拝前にご確認ください) |
| 所要時間 | 本堂・城山稲荷・奥之院までめぐって約60分 |
| 駐車場 | 寺院横に3台ほど、城山稲荷大明神前の広場にも駐車可。ただし道が狭いため、裏手の早島公園駐車場に停めるのがおすすめ |
| 住所 | 岡山県都窪郡早島町早島1179 |
| 電話 | 086-482-0114 |
| 公式HP | http://www.senkouji.info/ |
| 公式YouTube | 千光寺 公式チャンネル |

- 寺院までの道は狭め。早島郵便局前の三叉路を曲がると良いです
- 運転に不安があれば早島公園駐車場に停めて歩くのが安心です
- 奥之院は裏山を徒歩10分ほど。歩きやすい靴がおすすめです
アクセス
🚗 車でのアクセス
山陽自動車道・早島ICから約5分。
🚃 電車でのアクセス
JR瀬戸大橋線・早島駅から徒歩約10分。
📍 住所:岡山県都窪郡早島町早島1179
小さなお寺と思いきや、懐の深い古刹でした
境内でいただいたパンフレットを見て、思っていた以上に境内が広いことを知りました。「せっかくだから全部まわってみよう」と、案内図を片手に境内をぐるりと一周してみることにしました。
本堂に鐘楼、大きな五輪大卒塔婆、そして裏山の城山稲荷大明神や奥之院までを抱える、思いのほか広い境内でした。
そして何より、敵として戦った武将・竹井将監の菩提を、今も大切に守り続けている。
敗れた側の物語を、四百年以上たった今も静かに受け継いでいることが、このお寺でいちばん心に残りました。
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※この記事の情報は訪問時(2026年3月)のものです。





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