『まいられぇ岡山』を楽しみ尽くす、岡山の寺社めぐりをお届けしている はなか です。
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今回ご紹介するのは、真庭市余野(よの)に鎮座する大津神社(おおつじんじゃ)。地元で「余野の大津さま(よののおおつさま)」と親しまれ、開運の神さまとして長く信仰を集めてきた古社です⛩️
参拝の日に雨が降ると、ちょっと気持ちが沈むこと、ありませんか。
私もこの日、真庭へ向かう車のなかで「せっかくの参拝なのに雨かぁ……」と思っていました。
ところが、大津神社へ足を踏み入れた瞬間、その気持ちはすっと消えてしまいます。
天然記念物の森に包まれた境内。
静かな空気。
聞こえてくるのは雨音だけ。
まるで山そのものが神域になったような、不思議と心が落ち着く場所でした🌿
そうそう、たどり着くまでにも、ちょっとしたハプニングがありまして😅
案内板を頼りに進んだら、なぜか駐車場の反対側にゴール。どうやら徒歩や地元の方向けのルートだったようで、細い道での雨のなかのUターンはなかなかスリリングでした。
「本当にこの道で合ってる?」と少し不安になりながら向かった参拝でしたが、その先には、静かで心の落ち着く空間が待っていました🌿(アクセスの注意点は、後半にくわしく書いておきます。)
📘 まいられぇ岡山 掲載ページ:P93(真庭市)
実際に参拝してきた下見メモをもとにまとめました。参考にしていただければ幸いです😊
📍 境内マップ

⛩️ ご祭神とご利益
| ご祭神 | 天手力男之命(あめのたぢからおのみこと) |
|---|---|
| ご利益 | 開運・厄除け・家内安全・交通安全・商売繁盛・良縁・学業成就・病気平癒 など |
大津神社のご祭神は、天手力男之命(あめのたぢからおのみこと)。
日本神話では、天岩戸(あまのいわと)にお隠れになった天照大御神(アマテラス)を外へ導くため、岩戸を力いっぱい開いた神さまとして知られています。そして、その岩戸を遠くへ放り投げたところ、宮崎の高千穂から信濃国(長野)まで飛んでいって戸隠山になった——とも伝わる、あの神さまです。
九州から本州まで、直線距離にして900kmほど。神話とはいえ、そのスケールの大きさに、力の神さまらしさがあふれています。
もっとも、この岩戸が飛んだ伝説には諸説あり、投げた場所や飛んだ先には、地域ごとにさまざまな言い伝えが残っているのだそう。どの説をたどっても、力の神さまへの人々の信仰の深さが感じられて、なんだかロマンを感じます。
その力強い神徳から、開運や厄除けをはじめ、家内安全、交通安全、商売繁盛、学業成就など幅広いご利益があるとされています。
まさに「困ったときは大津さま」と頼られてきた神社なのだなと、由緒を読んで納得しました😊
🏯 なぜ信州の神さまが真庭に? 大津神社の歴史
大津神社の創建は正平4年(1349年)。現在の長野県にある戸隠神社から御分霊をお迎えしたことが、はじまりと伝えられています。
戸隠といえば、まさに天手力男之命をお祀りする神社。岩戸が飛んでいった先の神さまを、はるばる真庭の山里にお迎えしたと思うと、なんだか神話がぐっと身近に感じられます。
では、なぜわざわざ信州から、力の神さまをこの地へお迎えしたのでしょう。じつは、はっきりとした理由は記録に残っていないのだそうです。
岡山県神社庁の由緒には、「その土地の氏神としてではなく、何らかの信仰霊験によって勧請されたものであろう」と記されています。地域の守り神として迎えたというより、戸隠の力の神さまの霊験(れいげん)——ご利益のあらたかさを慕って、はるばるお迎えしたのではないか、ということのようです。
明確な答えは、今も謎のまま。でも、その謎めいたところまで含めて、この神社の奥ゆかしさのように感じました。
はじめは今とは別の場所に鎮座し、「大鶴神社(おおつるじんじゃ)」と呼ばれていました。その後、元禄11年(1698年)に現在地へ遷座したと伝わります。
おもしろいのが、「大鶴神社」から「大津神社」へいつ変わったのかは、じつははっきり分かっていないこと。今も歴史の小さな謎として残されているのだそうです。
また、境内をつつむ森——社叢(しゃそう)は、真庭市の天然記念物に指定されています。長い年月をかけて大切に守られてきた神社であることが、ここからもうかがえます🌿
実際に境内へ足を踏み入れると、歴史の重みというよりも、まず森にふわりと包まれるような安心感がありました。
そういえばこの日も、参道で地元の方らしき方とすれ違い、どちらからともなく「こんにちは〜」とご挨拶しました。雨のなかでも、ふっと心があたたかくなる瞬間でした😊
派手さはありませんが、地域の人たちが守り継いできた空気が、今もそのまま残っているように思います。
✨ 境内の見どころ
🌳 天然記念物の社叢(しゃそう)と、青もみじ

“社叢(しゃそう)”とは、神社をぐるりとつつむ森のこと。大津神社では、この境内の木々そのものが、真庭市の天然記念物に指定されています。
訪れた6月は青もみじがとても美しく、雨に濡れた葉が、鮮やかな緑色に輝いていました。
その境内の一角には、注連縄(しめなわ)と紙垂(しで)が巻かれた木もありました。案内板はありませんでしたが、こうしてしめ縄がかけられているのは、ご神木として大切にされている証なのでしょう。そっと手を合わせてきました🙏
木々に囲まれた境内を歩いていると、街なかではなかなか味わえない静けさがあります。聞こえてくるのは、しとしとと降る雨音だけ。まるで森の中へ迷い込んだような心地でした🌿
『まいられぇ岡山』の誌面でも、大津神社は見事な紅葉の写真とともに紹介されています。
この青もみじなら、秋はどれほど見事に染まるのでしょうか。期待がふくらみます。
紅葉の季節にも、また訪れてみたくなりました🍁
🌳 森の静けさに包まれる拝殿

拝殿の中にはたくさんの提灯が並んでいました。
提灯そのものも印象的でしたが、それ以上に心に残ったのは、この場所を包む静けさです。
森に囲まれた境内には雨音だけが響き、時間までゆっくり流れているように感じました。
「派手さはないけれど、ずっとここにいたい。」
そんな気持ちになる拝殿でした🌿
🐢 亀と龍が見守る、お手水

お手水にも、つい足を止めてしまいました。
よく見ると、台座を支えているのは亀。そして、その上から龍が水を注いでいます。

そして、さらによく見ると、手水鉢のふちに小さな亀のような姿がありました🐢
しかも角度的に、龍がじーっと狙っているように見えてしまって……笑
こういう細かな発見があるから、寺社めぐりはやめられません🐉✨
手を清めながら、心の中で「亀さん、大丈夫……?」と話しかけてしまったのは、ここだけの話です🐢
🐂 御神牛と神馬

境内には、御神牛の姿もあります。
牛は、学問の神さま・菅原道真公の神使(しんし)として知られる動物。頭を撫でると知恵を授かる、病が癒えるなどといわれ、天神さまをお祀りする神社でよく見かけます。
力の神さまをお祀りする神社で御神牛に出会えるとは、と少し意外でしたが、こちらを振り返って穏やかな表情で座る姿はどこか親しみやすくて、撫でたくなりました🐂
そして、拝殿に上がってさらに驚いたことがあります。
拝殿には、合格を報告するお礼の幟(のぼり)がいくつも掲げられていたんです。「東京大学」「大阪大学」「岡山大学」——名だたる大学の名前がずらりと並んでいて「ほぉぉぉっ」と、感心してしばらく眺めてしまいました。

実際に願いが叶った方々が、こうして感謝を伝えに戻ってきている。その光景から、大津さまの学業成就のご利益が、地元で篤く信仰されてきたことが伝わってきました。
天の岩戸をこじ開けた、力の神さま。ここぞの勝負に「打ち勝つ」力を授けてくださるのかもしれません。受験を控えた方は、お参りしてみてはいかがでしょうか📖

境内内には、神馬(しんめ)の像も鎮座しています。神馬は古くから”神さまの乗り物”とされ、神社に生きた馬を奉納する風習が、やがて絵馬(えま)の由来になったともいわれます。御神牛とあわせて、ちょっと立ち止まって眺めてみてください🐴
🦁 表参道で迎えてくれる、迫力満点の狛犬

表参道の石段を上がる前に、まず目に飛び込んでくるのが一対の立派な狛犬です。
凛々しい眉に立派な口ひげ、そしてくるんと巻いた尻尾。
その力強い表情には迫力がありますが、じっくり眺めていると、どこか愛嬌も感じられます。
「怖そうなのに、なんだかかわいい🤭」
そんなことを思いながら、しばらく見上げてしまいました。
参拝の前に、ぜひ足を止めてゆっくり眺めてみてください。
🌿 そのほかの見どころ
🤼 境内に、立派な土俵

境内を歩いていて、「おっ」と足が止まったのが土俵です。しかも、想像していたよりずっと立派。
最初は「どうして神社に土俵があるんだろう?」と不思議に思いました。
でも、調べてみて納得。ご祭神の天手力男之命は、天岩戸を開いた力の神さま。その力強さから相撲とも縁が深く、「相撲の神さま」と呼ばれることもあるのだそうです。
土俵を見ながら、「なるほど、力の神さまだものね」と、ひとり納得してしまいました😊
※大津神社で相撲神事が行われているかは確認できませんでした。由来をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。
⛩️ 靖国神社遥拝所と、祖霊社
靖国神社遥拝所
遥拝所(ようはいじょ)とは、遠く離れた神社を、その場から拝むための場所のこと。東京の靖国神社は遠くても、ここから手を合わせれば、思いを届けることができます。こうした遥拝所は全国の神社で見られるものだそうです。静かな境内のなかでも、ひときわ厳かな空気が漂っていました。
祖霊社
本殿の脇には祖霊社が。ご先祖の御霊をお祀りする社で、静かに手を合わせられます。派手さはありませんが、地域の方々が大切にしてきた場所だと伝わってきました。

🎋 受け継がれる神事「霜月祭」
大津神社には、毎年12月の第1日曜に「霜月祭(しもつきさい)」という古い神事が伝わっています。
お祭りの前日に、神官が頭屋(とうや)でお供えの餅を搗くところから始まり、当日は「頭屋渡し」によって、翌年の祭主が引き継がれていくのだそう。地域に根付いた神事が今も受け継がれていることに、歴史の深さを感じます。
年間の主なお祭りは、次のとおりです🌿
| 5月15日 | 春季大祭 |
|---|---|
| 11月2日・3日 | 秋季大祭 |
| 12月第1日曜日 | 霜月祭(頭屋渡し) |
季節ごとのお祭りが、今も地域で大切に受け継がれています。
📋 御朱印と、ちょっと恥ずかしかった出来事

| 御朱印 | あり(直書き・初穂料500円 ※) |
|---|---|
| 受付場所 | 社務所 |
| 受付時間 | 9:00〜15:00頃 |
| 定休日 | 月曜日(社務所不在) |
| 所要時間 | 20〜30分ほど |
| 駐車場 | 無料(約50台) |
| 御祈祷 | 午前中受付 |
| まいられぇスタンプ | 社務所 |
| 電話番号 | 0867-42-0523 |
※御朱印の初穂料は、私が参拝した際は500円でした。最新の初穂料は、参拝時に社務所でご確認ください。
御朱印は社務所で直書きしていただけます。墨書は「大津神社」。参拝の記念に、ぜひいただいてみてください📖
実はこの日、夢中で写真を撮っていた私。
あっちへ行ったり、こっちへ戻ったり、立ち止まってはシャッターを切っていたので、「今思えば、ちょっと怪しかったかも……😅」なんて思っています。
ところが帰り道になって、「しまった!まいられぇスタンプをもらい忘れた!」と気付きました。
「また社務所に戻って大丈夫かな……?」
少しドキドキしながら声をかけると、笑顔でスタンプを差し出してくださいました😊
ほっとしたのはもちろんですが、『まいられぇ岡山』が会話のきっかけになったこともうれしい出来事でした。
スタンプ以上に、神社のあたたかい雰囲気が心に残った出来事でした🌿
🚃🚗 大津神社へのアクセス
📍 住所:岡山県真庭市余野下728
🚗 車でお越しの方
米子自動車道「久世IC」から約10分。山あいの神社なので、車でのアクセスがおすすめです🚗
| 駐車場 | 無料(約50台) |
|---|

ひとつだけ、注意点があります。
- 駐車場へは車用の案内板に従う(徒歩・地元の方向けの案内板をたどると反対側に出ることがあります)
- 周辺の道は細く、Uターンできる場所もかぎられています
- 心配な方は、カーナビやGoogleマップとあわせて向かうと安心です
実は、この注意書きには理由があります。
というのも私、その案内板を信じて進んだ結果、見事に駐車場の反対側へたどり着きました(笑)。周辺の道は細く、Uターンできる場所もかぎられているので、どうぞお気をつけて。
🚃 電車でお越しの方
JR姫新線「久世駅」からタクシーで約20分。
🌿 真庭の山里で出会った、心ほどける森の神社
大津神社でいちばん心に残ったのは、天然記念物にも指定されている社叢(しゃそう)に包まれた静かな境内でした。
青もみじが雨に濡れ、しっとりとした雰囲気たっぷりの参道。拝殿に並ぶ提灯や、地元の方と交わした「こんにちは」のひと言も、この神社のやさしい空気を感じさせてくれます。
森の中をゆっくり歩いているだけで、不思議と肩の力が抜けていくような心地よさがありました🌿
真庭で神社めぐりをされるなら、「余野の大津さま」にもぜひ足を運んでみてください。
近くの木山神社・木山寺とあわせて巡れば、それぞれ異なる魅力を持つ三社寺を楽しめます。
そして帰るころには、車のなかで沈んでいた私の気持ちも、すっかり晴れていました。
もし参拝の日が雨でも、がっかりしなくて大丈夫。
この森には、雨の日だからこそ出会える静けさが待っています🌿
※この記事の情報は訪問時(2026年6月)のものです。行事の日程や御朱印の受付については、念のため事前にご確認ください。
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