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【津山市】愛染寺|牡丹の寺の御朱印と、円華紋づくり体験レポ

愛染寺 アイキャッチ画像

『まいられぇ岡山』を楽しみ尽くす、岡山の寺社めぐりをお届けしている はなか です。
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今回ご紹介するのは、津山市西寺町に佇む愛染寺(あいぜんじ)です。

約130種もの牡丹が咲きほこる「牡丹の寺」として知られています。

……と、期待して向かったのですが。

訪れたのは6月。牡丹の季節は、とうに終わっていました。
見頃を逃してしまった——あいかわらず、事前調査の緩い私です😅

ところが門の前に立って、その考えは変わりました。

正保元年から、四百年近く立ちつづけている門でした。

そしてこの夏、もう一度この門をくぐることになります。その話は、記事の後半で。

📘 まいられぇ岡山 掲載ページ:P31(津山市)

愛染寺 鐘楼門及び仁王堂

この記事で分かること

  • 明治の火災をくぐり抜けた、県指定文化財の鐘楼門
  • 巨石をくり抜いたような手水鉢(ちょうずばち)とそこに棲むような青銅の龍
  • 円華紋・御朱印作りワークショップの体験レポ(申込方法・参加費・所要時間)
  • 牡丹の見頃(4月中旬〜5月初旬)・御朱印・駐車場・アクセス

6月と8月、二度歩いてきた記録をもとに、ご案内していきます。😊

境内マップ

愛染寺 境内マップ

愛染寺は、旧出雲街道に面した津山市西寺町にあります。白壁の築地塀が続き、寺院が連なる町並みです。

愛染寺のご本尊とご利益

ご本尊は、千手千眼観世音菩薩(せんじゅせんげんかんぜおんぼさつ)です。

いただいた御朱印にも「千手観音」と墨書されていました。

良縁成就・身体健全・家内安全・厄除けなどのご利益があるとされています。

💡 豆知識:千手千眼観世音菩薩ってどんな仏さま?

千手千眼観世音菩薩は、たくさんの手と眼で人々を見守り、救いの手を差し伸べる観音さまです。

明治の火災で、境内はどう変わったのでしょうか

愛染寺 鐘楼門及び仁王堂と山門

愛染寺の創立は、慶長10年(1605年)と伝えられています。

僧・畠山快雲(はたけやま かいうん)和尚によって開かれ、いただいたパンフレットによると、創立当時の名は「高室山 愛王院 金剛寺」。愛染寺と改めたのは、第三世 専啓(せんけい)の代だそうです。

津山藩主・森長継(もり ながつぐ)公の祈願所でもあったと伝わります。

パンフレットには、「不幸な歴史」として二つの出来事が記されています。

明治6年(1873年)、血税一揆(けつぜいいっき)が起こりました。5月27日、一揆勢が愛染寺のなかにあった僧侶の研修施設「教学院」を打ち壊したのだそうです。当時つくられつつあった小学校と間違えられたのだと記されていました。

さらに明治9年(1876年)、火災が起こります。

境内の説明板によると、このとき本堂を含むほとんどの建物が焼失しました。

延焼を免れたのは、鐘楼門と山門、そして倉庫だけでした。

火災以前の境内絵図では、いま大師堂が建っている場所に本堂があったと記されています。境内の配置そのものが、火災の前と後で変わっているということです。

本堂の再建が決まったのは、火災から37年後の大正2年(1913年)。翌年に着工し、すべての工事が終わったのは大正9年(1920年)だとパンフレットに記されています。

いま目の前にある本堂は、そうして建て直されたものです。

愛染寺の見どころ

① 火災をくぐり抜けた鐘楼門及び仁王堂

愛染寺 境内側から見た鐘楼門

建立は正保元年(1644年)と推定されています。棟札の写しに、その年が記されているのだそうです。

岡山県指定重要文化財です。

屋根は入母屋造の檜皮葺(ひわだぶき)で、正面と背面に唐破風が付いています。そして門の左右に、唐破風造の仁王堂が付属しています。

説明板によると、両側に仁王堂が取り付くこの構成は、美作地方でも稀少なのだそうです。

愛染寺 鐘楼門の組物

見上げると、白い蟇股(かえるまた)と組物が整然と組まれていました。

おもしろいのは、主要な部材に桜の木が使われていることです。

牡丹の寺の門に、桜の木が使われている。そう思うと、なんだか楽しくなりました😊

愛染寺 仁王堂の仁王像

仁王堂の格子窓からのぞくと、朱色の仁王像が立っていました。格子越しでしたが、金色の目がはっきりと見えます。

この仁王像は、津山市指定重要文化財です。

平成の解体修理のときに部分修理が行われ、胎内の墨書から万治元年(1658年)の制作と分かったのだそうです。門が建てられてから14年後に、この仁王像が納められたということになります。

② 岩に棲むような、手水舎の龍

愛染寺 手水舎

山門から入って右手に手水舎があります。

まず目がいったのが、手水鉢の形でした。

整えられた長方形の手水鉢が多いなかで、ここのものは巨石をそのままくり抜いたような不定形です。縁の厚みが場所によってまるで違い、右側などは岩肌の凹凸がそのまま残っていました。

人の手が入っているのに、山から出てきたままのような迫力があります。

愛染寺 手水舎の青銅の龍

そして、龍です。

青銅に浮いた緑青の色が渋く、角の枝分かれ、鱗の一枚一枚、口元から伸びるヒゲまで細かく作り込まれていました。

台座から姿をのぞかせる龍は、「水を吐く龍」というより、「岩に棲む龍」という趣でした。

二か月後、もう一度この門をくぐりました

牡丹の季節を待たずに再訪することになったのは、『まいられぇ岡山』にも載っていた「円華紋(えんかもん)・御朱印作り」のワークショップに申し込んだからです。

仏さまの衣に描かれた紋様に好きな色を入れて、自分だけの御朱印を作る体験です。参加費は1,000円で、お抹茶とお菓子がつきます。

公式Instagramの案内で知り、津山観光WEBで電話番号を確認して、お寺に電話で申し込みました。希望の日時を伝えるだけで完了です。

下絵を選ぶところから、もう迷います

愛染寺 円華紋の御朱印の作品

当日はまず、これまでに作られた作品を見せていただきました。机の上に、彩色された円華紋がずらり。

下絵はいくつかのなかから選べます。ここで、もう大いに悩みました。

選んだのは、桜を中心にして、まわりに葉と花をめぐらせた一枚です。

愛染寺 円華紋の下絵

用意されていたのは水彩色鉛筆。水で溶かすとにじみやグラデーションが表現できる色鉛筆ですが、実際に水を使うのは大変なので、溶かさずに普通の色鉛筆として塗りました。

塗り方のコツも教わりました。下地を薄い色にして濃い色へグラデーションを入れると綺麗になること、色は反対色を使うこと。そして「仏画ほどきっちりする必要はなく、自由に塗ってください」とのことでした。

案内は30分。実際は50分かかりました

塗りはじめると、お寺の方はいったん席を外されました。お手本を見ながら、ひとりで黙々と手を動かしました。友達とわいわい言いながら塗るのも楽しいだろうな、とも思いました。

始めたのが9時15分ごろ、塗り終わったのが10時5分ごろ。案内には所要時間30分とありますが、色を決めるのにわりと悩んだので、50分ほどかかりました。時間には余裕をもって行かれることをおすすめします。

完成したら、机に置かれた呼び出しベルを押して知らせる流れでした。

お抹茶と和三盆、そして完成した一枚

愛染寺 ワークショップのお抹茶と和三盆

ベルを押すと、お抹茶とお菓子を運んできてくださいました。夏らしい金魚柄の涼しげなガラスの器と、和三盆の上品な甘さに、ほっと心がほどけました。

御朱印には、奉拝・年月日・寺院名を入れるかどうか、希望を聞いてくださいました。せっかくなので、この日の記念に入れていただきました。

愛染寺 完成した円華紋の御朱印

完成した一枚をたくさん褒めていただいて、ちょっといい気分に😊 ひとりでの参加でしたが、とても楽しい時間でした。

牡丹の季節ではありませんでしたが、この日の思い出が、一枚の御朱印になって手元に残りました。

夏の境内は、別の顔でした

ワークショップのあと、境内をゆっくり歩きました。6月には見られなかったものが、いくつもありました。

本堂の縁側いっぱいの風鈴

愛染寺 本堂の縁側の風鈴飾り

本堂の縁側に、ガラスの風鈴がずらりと下がっていました。

一つひとつに、ハートの形をした短冊が結ばれています。ピンク、黄、緑、赤。願い事の書き込まれた短冊が、風鈴といっしょに揺れていました。

わたしも一つ、願い事を書いて吊るさせていただきました。

この風鈴飾りは、6月から9月中頃までと案内されています。

手作りだという、手水舎のミスト

愛染寺 手水舎のミスト

手水舎の屋根から、細かい霧が降りていました。ミストです。

お寺の方に伺うと、手作りなのだそうです。

手水舎の屋根にも短冊が下がっていて、6月に見た「岩に棲む龍」とは、まるで表情が違いました。

赤穂義士・神崎与五郎の生母の墓

6月に見つけられなかったものも、ひとつありました。

『まいられぇ岡山』に載っていた、赤穂浪士四十七士の一人・神崎与五郎則休(かんざき よごろう のりやす)の生母の墓です。大師堂の裏、すぐ側にありました。

愛染寺 神崎与五郎母堂の墓

いただいたパンフレットによると、「秋月妙清信女(しゅうげつみょうせいしんにょ)」の墓で、元禄3年に亡くなり、与五郎がここに葬ったと記されていました。

与五郎は寛文6年に津山で生まれ、のちに赤穂藩浅野家に仕えた人です。津山に生まれた人の、母親の墓が、この境内にあります。

牡丹の話を伺いました

お寺の方から、牡丹の話も伺うことができました。

愛染寺の牡丹は、希少種も含めて約130種。見頃は4月中旬から5月初旬で、同じ時期には二段霧島ツツジも咲くそうです。

花の季節になると、午前中は香りが門の外まで届くのだとか。毎日ウォーキングをしている方が、その時期だけコースを変えて愛染寺の前を通っていかれると聞きました。

ここの牡丹は、牡丹の産地として知られる島根県の大根島(だいこんしま)から苗を植えたものだそうです。

翌年の花を咲かせる新芽が、すでに出ているとのことでした。

愛染寺の年間行事

毎月3日毘沙門天護摩祈祷
毎月第2土曜日仏画教室
2月第1日曜日毘沙門天柴燈護摩
4月中旬〜5月初旬牡丹・二段霧島ツツジ開花/仏画作品展
6月〜9月中頃風鈴飾り
10月頃〜5月末願い鶴飾り
11月の日曜日午後吉祥飾紙作り体験(要予約)
12月31日除夜の鐘

日程は変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

参拝メモ

愛染寺 御朱印

御朱印をいただく場合は、本堂の右奥にある玄関で声をかけます。

いただいた御朱印は、色鮮やかでとても綺麗でした。お寺らしい落ち着いた朱印と、鮮やかな彩りがよく合っています。

愛染寺 牡丹の切り絵御朱印

授与所には、牡丹をあしらった御朱印や切り絵御朱印、作州絣の御朱印帳、牡丹の香りの塗香なども並んでいました。

宗派・ご本尊高野山真言宗/千手千眼観世音菩薩
所要時間参拝のみなら30分ほど。円華紋・御朱印作りのワークショップに参加する場合は、さらに1時間ほどみておくと安心です
御朱印受付は9:00〜16:00。本堂の右奥にある玄関で声をかけてお願いします。御朱印500円/牡丹の切り絵御朱印は志納料1,100円(橙・緑の2種)。志納料・受付時間は変更になる場合があります。参拝前にご確認ください
授与品作州絣の御朱印帳、愛染香牡丹の塗香(2g入り・約100回分 800円)など
体験円華紋・御朱印作りのワークショップ(案内は所要30分ほど・参加費1,000円・要予約/お抹茶とお菓子付き。実際は50分ほどかかりました)。写経・写仏体験もあります。参道には西国三十三ヶ所の「お砂踏み」の石も
まいられぇスタンプ本堂のお賽銭箱の前にあるテーブルに設置されています
駐車場7台分あります。場所は境内マップでも確認できます。
住所〒708-0045 岡山県津山市西寺町98
電話0868-22-3059
公式Instagram@aizenjitsuyama
愛染寺 駐車場

  • 駐車場は7台分あります。ただし場所が分かりにくく、はじめて訪れたときは駐車場までたどり着けませんでした。お寺に問い合わせると案内図をいただけました。
  • 西寺町は旧出雲街道沿いの寺町で、道が細めです。運転にはお気をつけてお越しください

愛染寺へのアクセス

🚃 公共交通機関でのアクセス
JR津山駅から車で約5分。ごんごバス小循環線・西今町バス停から徒歩約3分です。

🚗 車でのアクセス
中国自動車道・院庄ICより約10分。カーナビには住所「津山市西寺町98」を設定するのが確実です。駐車場の場所は分かりにくいので、事前にご確認ください。

📍 住所:〒708-0045 岡山県津山市西寺町98

花のない季節に、残りつづけたものが迎えてくれました

「牡丹の寺」と聞いて向かったのに、牡丹の季節を外してしまった愛染寺。

「見頃を逃してしまったな」と思っていました。

けれど歩いてみると、そうではありませんでした。

明治の火災で本堂までも失うなか、焼失を免れた鐘楼門。

巨石をくり抜いたような手水鉢と、そこに棲むような青銅の龍。

そして8月には、風鈴と短冊に彩られた、夏の境内にも出会えました。

花のない季節だったからこそ、残っているものが見えたのかもしれません。

👉 文化財の建築が好きな方、静かな時間を過ごしたい方におすすめのお寺です。牡丹を目当てにするなら、4月中旬〜5月初旬の見頃を狙って訪れてみてください。

6月と8月、二度この門をくぐりました。それでも、牡丹の季節にはまだ会えていません。

次こそ、花の香りが門の外まで届くころに——三度目の参拝を楽しみにしています。😊

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※この記事の情報は訪問時(2026年6月・8月)のものです。

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